ニペソツ山の杉沢出合登山口に地元の皆さんの熱意で、トイレ(仮設タイプ)が設置されたと聞いたので、経緯や状況などを「ひがし大雪自然ガイドセンター」の河田さんにEメールで伺ったところ、返事を頂いたので紹介します。「ひがし大雪自然ガイドセンター」のホームページを参照してください。
1. 杉沢出合登山口にトイレが設置された事情、設置開始年月を教えて下さい
設置; 平成9年7月
設置理由;
杉沢出合は登山口であり前泊する人が結構いて、また下山後に用を足す人もいたようである。これは、今に始まったことではないが、今までは登山者の絶対数が少なくて問題化していなかった。しかし、登山ブームとなりはじめた平成7年頃から登山者が増え、仲間内では杉沢の臭いを何とかしなければと言う話しが出ていた。
「町内に来る登山者の8割はニペソツだから、ここにトイレを作ればイメージアップは計り知れない!」と上士幌町役場に訴え、費用の面から簡易トイレならばということで、設置が決まった。モチベーションは植生破壊とか大腸菌とかでなく、単純に汚いからという理由です。
2. トイレ設置の所轄組織はどこですか
トイレ設置の所轄は、地元の上士幌町です。環境庁や林野庁は、設置主体になってくれそうにもありませんでした。設置に当たっては、環境庁には公園設置申請、林野庁には土地貸付申請(交渉の末、無料)を役場から出しました。
3. 設置されたトイレの概要内容と概算費用はどの程度でしょうか
工事現場に置くような簡易トイレです(中古)。
小用・大用各1ケ。購入費は、設置費込みで25万円でした。
4. 管理主体、管理の方法(清掃、メンテナンス等)、管理に要する年間費用、冬期間の処置はど うされていますか
管理主体は、上士幌町観光協会です。管理の方法は、私達、ひがし大雪自然ガイドセンターが委託で清掃を受けています。メンテは、不具合や汲み取りのタイミングなどを観光協会と連絡を取り合っています。
管理費は、清掃委託料5ヶ月間で12万円、汲み取り代が5.1万円×4回程度です(年間)。
冬はロープをかけてクローズ状態にします。移動はしません。
開設期間は、6月末の山開き~11月上旬までです。
5. 管理主体の御苦労話しがあれば教えて下さい
夏場に、シデムシが便槽に大発生し、気持ちが悪かったことでしょうか。
6. その他、関連する事ならなんでもお気づきの点等あれば
簡易トイレ(汲み取り必要)であるので、今後利用者が急増すれば、汲み取り回数が増え、観光協会の予算がパンクする恐れがあります。維持費用については環境庁も協力して欲しいと思います。……河田の私見です。
《以上 ヒアリング、作成、文責;山のトイレを考える会・会員:小枝正人》
「補足事項」
ニペソツ山杉沢出合の簡易トイレ設置の事例は、地元の方々がいろいろ苦労され、工夫をされて実際にトイレ設置を実現し、管理されているものです。行政への要望などいろいろありますが、実現する方策の例と考えることもできると思います。
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