2005幌尻山荘排泄物担ぎ下ろし登山

 実施日:平成17年8月13日(土)~8月14日(日)   主催:日高山脈ファンクラブ
                (記事取材:仲俣@山のトイレを考える会&日高山脈ファンクラブ会員)


              
はじめに

 幌尻山荘は日本百名山「幌尻岳」(2,052m)の登山道の中継地点(標高960m)にあり、多くの全国の登山者に利用されています。ここのトイレは毎年汲み取り、山荘周辺の地中に埋めて処理しています。今回、日高山脈ファンクラブ主催で少しでも山荘周辺の自然環境を守れたらと、山荘排泄物の担ぎ下ろしを2日間実施しました。山のトイレを考える会からも4名参加しましたので、その状況を報告します。

  ・参加者数:2日間で延べ18人。担ぎ下ろし量:196.5kg(便層の残りは100kgぐらい)
  ・「幌尻山荘排泄物担ぎ下ろし登山のご案内」を参照

日高山脈ファンクラブについて

 日本最大規模(約10万ha)の国定公園に指定され、多くの動植物が暮らす日高山脈。しかし登山者も増えさまざまな問題が起きています。日高山脈って本当に日本の残された秘境なのだろうか? そんな疑問を持ち、自然を見つめ直し、次の世代に自然を残そうと2000年に日高山脈ファンクラブ(会長:樋口和生氏)が結成されました。
 結成以来、日高山脈唯一の日本百名山である最高峰「幌尻岳」を活動拠点に、登山者数計測や水質調査、登山者意識アンケート調査、ゴミ拾い、フォーラムの開催、安全マナーガイドの作成など日高山脈の自然環境を守るため積極的な活動を展開しています。

担ぎ下ろし登山(8月13日の報告)

 日高町の道の駅に午前6時集合。天気は晴れ。今回の世話人である日高山脈ファンクラブの高橋健事務局長の説明のあと、2台の車で平取町振内へ。振内で2名を乗せ、登山口となる北電取水ダムへ向かう(一般登山者は臨時ゲート→ゲート→取水ダムと約7.5km林道を歩かなければならないが、今回、特別許可を貰って取水ダムまで車で入る)。取水ダムで一斗缶や4リットル缶をザックや背負子に担ぎ出発。いきなり額平川のへつりでびびる。四ノ沢出合いまで2回の渡渉。一度休憩して20回ほどの渡渉で山荘に着く。山荘に着くと女性群はカレーの食事準備。男性群は計画中のバイオトイレ水力発電設備の事前調査で高橋健さんと五ノ沢を遡る。水力発電用の水を沢から引き込むとの事だが、施工は非常に難しそうに感じた。五ノ沢の調査が終わり、ポカポカ陽気の中、早池峰の排泄物担ぎ下ろしでは、定番となっているカレーをみんなで食べる。美味しくてお代わりする。12時から汲み取り作業を開始。思ったより臭くはない。泥を汲んでいるようだ。ティッシュのポリ袋やゴミは無い。交替で柄杓で汲み取り、一斗缶や4リットル缶に入れる。約1時間で、一斗缶7個、4リットル缶4個を作る。その後記念写真を撮り、ザックや背負子に担いで額平川を下る。下山する時に本州から来ている登山者に拍手で見送られる。みんな思いは同じだ。一番心配していた最後のへつりも何とかクリアーし、取水口に到着。事務局長が秤でそれぞれ重量を測定、総重量は75kgであった。車で振内まで運び、振内鉄道記念公園のトイレに捨てる。全ての作業が終わり、みんな充実感でいっぱいの嬉しい顔をしている。北海道では初めてと思われる貴重な体験をすることができ、お世話をしていただいた高橋事務局長に感謝したい。(仲俣記)


排泄物担ぎ下ろしスナップ写真(その1)
※写真撮影:フェル@西田さんと仲俣です

登山口。一斗缶と4L缶を並べる
柄杓を持って額平川を渉る

作業前にカレーを食べる。ウマイ!?
山荘トイレの蓋を開ける

さぁ、作業開始!
まずは柄杓で汲み出だす

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