2007幌尻岳清掃登山&
幌尻山荘排泄物担ぎ下ろし登山実施報告

 実施日:2007年9月15日~17日   主催:日高山脈ファンクラブ


              
                               報告:日高山脈ファンクラブ 高橋 健

 今回の事業はHYML(北海道山のメーリングリスト)有志の会より10万円、平取町山岳会から3万円
の助成金をいただき実施いたしました。会員の会費のみで運営されている当会にとってはありがたいことで
す。誠にありがとうございます。
 9月15日は17名で出発。途中林道のくぼみでバスのマフラーが壊れるアクシデントがあった。ヌカビ
ラ登山口(駐車場)の清掃を行い、靴やわらじ、空き缶、ペットボトル、ティッシュ、なぜか服や靴下、靴
などさまざまで約20kgを回収した。
 一斗缶28個、4リットル缶13個、食材、ビニル袋などを分配しすべて荷揚げできた。多少の雨はあれ
ども水深は膝程度で楽勝。降り出した雨でわれら幌尻岳清掃登山一行以外には誰も登って来ず、山荘は連泊
組3人と私たち17人と2人組だけ。予約人数は52人でしたが宿泊は22人と久しぶりにゆったりした山
荘でした。施設見学は雨のため取りやめ、女性陣には夕食、さらには翌日の食事の準備をしていただく。男
はというと昼間から飲んでいた・・・・。夕食は平取和牛のすき焼き。
 15日の晩から雨が強くなり16日の朝には額平川は濁流と化す。連泊組と下山する梨木さんは下山でき
ず減水を待つ。朝食は昨晩のすき焼きの残りうどんわれら清掃登山一行16名は天候次第という条件付なが
ら5時に山荘を出発し上部の清掃に向かう。命の泉は噴出する冷水。毎年、ここに糞便があるが今年はなか
った。北カールに上がる尾根に出ると風が強い。ほどなく踏み跡は北カール内に入り風が弱まる。このあた
りから踏み跡脇の草むらに糞便の後が目立つようになる。ペットボトルや紙パック、ビール瓶などのゴミが
散見される。
 幌尻岳の山頂は暴風の中、記念撮影をし、防寒着を着て、山荘と無線通信。額平川は減水してきているが
下山者はさらなる減水を待っているとのこと。SLと協議して予定通り決行する。肩を過ぎ七つ沼カール下
降点まで来ると風は弱まり、雨は止み、沼が見えてくる。沼のほとりに着くとカールバンドが見え、青空が
のぞく。沼のほとりの天場にはあいかわらず新しい焚き火の跡、流木のないところでの焚き火、明らかにハ
イマツを切ったと思われる。
 ここは国定公園特別保護地区。数年前に「山と渓谷」に天上の楽園「七つ沼カール」でテントを張りたいと
いう特集記事があったが、この記事がカールでの幕営を煽ったのではと個人的に思っている。日高での幕営
には焚き火がつきものと公言する方もいるが、流木のある沢ならまだしもカールでの炊き火は絶対止めても
らいたい。カールの砂地からは過去に埋められた缶やビンがよく出てくる。雨で沼は増え8つ以上が確認で
きた。風のやんだ沼のほとりで休憩、ナキウサギの声が響き渡る。昼食はおにぎり・おいなり・バナナ等。
 カールから稜線に上がると、エサオマントッタベツが見えるが山頂は雲の中。あたたかい風の中、トッタ
ベツ岳へ。時折ガスが晴れて北カールや幌尻の山頂が垣間見える。トッタベツの山頂はガスの中。
 山荘と交信。明日の日帰り組予定通り決行することに決め、登山隊の緊急連絡先である妻・日帰り組CLの
岩村さん・バス会社にケータイで連絡する。妻には下山が遅れている梨木さん家族への連絡・下山後の連絡
方法も伝達しておく。
 トッタから中トッタにかけての稜線からはピパイロ・伏美・妙敷が見え、十勝平野は雲海、雲海の向こうに
はどこかの山塊が見えた。中トッタから六の沢出合まで標高差800mを一気に下る。標準コースタイム2時
間のところ1時間10分で下る。出合から山荘までの川が増水しており明るいうちに余裕を持っておりたいと
の私の思いから、みんなにはちょっとハードな下り方になってしまい申し訳ない。
 六の沢はそれほど増水していないが、本流の渡渉は難しそうだ。右岸沿いに踏み跡と藪を下る。山荘に近づ
くと発電取水管理用の木橋が架かっていた(山荘管理人が架けなおしてくれていたことが後からわかった)。
これで山荘に戻れるとホッとしたので、発電取水施設をみんなで見に行く。ここは大雨の被害は特になかった
。木橋を慎重に渡る。女性が渡りホッとしているとY氏の登山靴がすべり、股を丸太橋に強打する。これには
ビックリするが、股は大丈夫とのことで、全員無事に渡りきり17時前には山荘に着く。
 梨木さんは15時に山荘を出発、本州からの連泊者3名は下山をあきらめ明朝下山するとのこと。増水の中
2人組が登ってきていた。また昨日沢筋で幕営した3人組が下山できずに山荘に来ていた。
 16日の宿泊者は我ら16名と連泊者3名、幕営した3人組、登ってきた2人の合計24名。女性陣にはま
た夕食&明日の食事の準備をしていただく。夕食はおでん、昨日から薪ストーブの上で煮込んでいただいたの
で味がしっかり染み渡っていておいしかった。
 17日は朝から曇天だが、夜は星空がきれいだったよと参加者が言っていた。朝食のスパゲッティーを食べ
てから水力発電機・バイオトイレの見学、管理人の説明を聞く。その後メインイベントの汲み取り作業。
貯留式のため水分が多い。汲み取りはみんな交代で、また密封作業もみんな文句も言わず率先してやってくれ
た。 一斗缶28個、4リットル缶13個に排泄物を詰める。みんなで缶を選び梱包する。山荘所有の背負子を
2つ借りる。
 日帰り班の到着を待つ。予定の11時30分を超えてもまだ着かない。何かあったのか?不安になるが通信手
段がない。そろそろ12時というころ雄たけびが聞こえる! 到着と同時に衝撃的なことが判明する。北電管
理道路の斜面が崩落。バスが通れず1時間余計に歩いてきた。とのこと。
 とりあえず恒例のカレーライスを食べ、13時に山荘を出発する。確かに水量は多い。いつもの雪解け時ぐら
いはある。濁りがないので底が確認できるのでありがたい。四の沢前後の渡渉では特に水深が深くて流れが早く
女性は大変そうであった。「あ取水ダムだ!先行組が荷物を積んでくれている」とわき見をした瞬間、ひっく
り返った。もちろん缶は横倒しだが漏れてはいなさそう!あ~良かった。みんな怪我もなく無事に取水ダムに
到着したのが15時。
 みんなの荷物を軽トラに積み、参加者には崩落地点まで歩いてもらう。軽トラを通すべく岩をどけようと話し
ていたが、崩落地点に着くと軽トラが通れるようになっている。バスの運転手の松田さんが軽トラが通れるよ
うに岩をどけてくれていた。感謝感謝!運転を代わってもらい崩落地点を通過しバスまでたどり着く。みんな
が来るまでに運搬物の計量を行う。
 山荘排泄物は24人で249kgを運搬しました。一斗缶2個(重さ)は秋元さん(27kg)、井後さん
(26.5kg)、長谷川さん(24kg)と私(25.5kg)でした。下ろせなかった一斗缶11個(推定
132kg)は、後日、平取町山岳会と平取町役場職員が担ぎ下ろしてくれました。よって人力運搬の総量は
381kgです。
 ほどなくしてみんなが到着する。行きにマフラーを壊した地点では、みんなにバスから降りてもらってそろり
と動かし通過する。軽トラの私は先に行って平取町山岳会の松島副会長に山荘の背負子を返却し、北電道路が
崩落していることを伝達。妻と連絡を取り梨木さんが無事下山していることを確認。
 振内鉄道公園の便槽に排泄物を投入し18時作業修了。平取町山岳会松島副会長からトマトジュースの差し入
れがありました。
 山の駅ほろしり下車組に別れを告げ、日高へ。私は一斗缶やコンパネの保管場所へ寄って道の駅へ向かうとみ
なさん解散した後でした。
 今回参加していただきましたみなさま、本当にありがとうございました。今年は山岳会や役場の協力もあり
380kgほどを下ろすことができましたが、山荘には貯留式の仮設トイレが2基あり、この貯留タンク
に併せて500kg、さらにシーズン途中にあふれそうになって500リットルタンクに汲みだしたも
のがあり、併せると1トンもの便が貯まっていることになります。1トンから380kgを差し引くと
620kgもの残存があります。これをどう処理するのか、毎年毎年すべてを人力運搬は不可能だと思
います。
 500kg吊のヘリ代が1回250万円です。年間の幌尻山荘宿泊者数が3千人ですから、受益者負担とし
て1人1,000円の負担増とすれば、可能となります。ヘリで1回運搬し、残存分を人力にするとかすれば、
まだ可能かと思います。
 今回参加していただきましたみなさまには幌尻の現状を広く広めていただくとともに、多くの賛同者を得てい
きたいと思いますので、これからもご協力のほどよろしくお願いいたします。
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排泄物担ぎ下ろしスナップ写真(その1)
※写真撮影:仲俣(9月17日・日帰りで参加)

登山口の駐車場と仮設トイレ
林道が大崩落。バスはここでストップ

この春から稼動したバイオトイレ
バイオトイレの横に仮設トイレが2基

バイオトイレは固液分離便器
仮設トイレ2基の糞尿を汲み出した

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