報告:神奈川県自然環境保全センター かながわパークレンジャー 石川 瑠美子


              
【はじめに】

 平成22年より、かながわパークレンジャーが中心になって「トイレ紙持ち帰りキャンペーンを行ってきましたが、今年度は丹沢にあるビジターセンター(宮ヶ瀬、秦野、丹沢湖、 西丹沢自然教室)と自然環境保全センターと協働で「丹沢発 山のトイレを考えようプロジェクト」を立ち上げ、山でのトイレ事情の現状やトイレマナーについてどのように伝えたらよいか皆で検討しあい、活動を進めていくことにしました。そして、10月、11月を強化月間として以下のような取り組みをしました。

●登山者へのアンケート調査

 登山届け記入のお願いの際や、キャンペーン活動時、ビジターセンター来館者、巡視の時などを利用して「(丹沢の)「山のトイレについてのアンケート」を行い、集計は事務局(自然環境保全センター自然保護課)が行いました。
 158名の方にお答えいただき、丹沢でのトイレ紙持ち帰りを知って いる方は47%で、知っている方の98%が持ち帰っている・・・・など、 興味深い結果がわかり、今後の活動に役立てそうです。 また、アンケートそのものが普及啓発の役割も果たしました。

●ビジターセンターでの展示

 各ビジターセンターでは「丹沢 山のトイレ事情」というタイトルで展示を作成しました。
 ビジターセンターへふらっと来た方にも気軽に展示を見てもらえ、関心を持っていただきました。

アンケートに答える登山者
宮ヶ瀬ビジターセンターでの展示コーナー

●「トイレ紙持ち帰りキャンペーン」の実施

 強化月間の期間中は10月と11月の日曜日に2回行いました。
 10月は大倉バス停前でこれから山に出発する登山者に、登山届け記入のお願いとあわせ、マナー袋の配布や声かけを行いました。また、下山者を中心にアンケートを実施しました。
 11月には登山口から約1時間半ほど歩いた林道終点で実施しました。特にブースなど設けず登山道の途中で行うのは初めての試みで、簡単に気軽にできるという利点がわかりました。
 この2日間で合計約600枚のマナー袋を登山者に直接手渡せることができました。

大倉バス停前での活動のようす
林道終点での活動のようす

●ロゴマークやミニのぼりの作成

  親しみやすい、素敵なロゴマークができました。ミニのぼりも作り、パークレンジャーの巡視時などにザックにつけ、声かけのきっかけづくりとなり日常的に登山者に普及啓発ができます。

ミニのぼり
ミニのぼりをつけて巡視中

【今後について】

  来年度もトイレプロジェクトは実施します。今後はトイレ使用の協力金(100円)もあわせて啓発し、広報の仕方も工夫したい と思います。