報告:環境省上川自然保護官事務所 野川裕史(2015年9月6日)
2015年9月6日、オフ山行の途中で、白雲の避難小屋に寄り、小屋の管理人さんとトイレ談義。 この避難小屋のトイレは2000年に汲み取りをされて以来15年間汲み取りをしていないのですが、ここの便槽の嵩はあまり増えず、均衡状態を保てています。そのポイントは管理人さんによる地道な管理です。 管理人さんは、利用者に対しては使用済み紙の持ち帰りをお願いし、トイレの便槽に対してはEM菌とボカシを入れては撹拌し、気温の低い高地に置いても分解を促進させる努力をしています。便槽内の分解を邪魔するものとして、便槽に捨てられるゴミがあり、管理人さんは便槽の管理作業をする中で、一つ一つ拾い上げています。便槽に捨てられるものはビニールゴミなどの他、ガスカートリッジなどもあり、生理用品なども多いそうです。 掘り上げたゴミは、すでに100kg近くになっています。経費などの関係で、荷下ろしのめどは立っていませんが、いつか来る荷下ろしの日のために、管理人さんは掘り上げた屎尿まみれのゴミをメッシュの袋に入れて、ボカシなどを振りかけ、きれいな水をかけ、なるべくきれいになるようにとしています。 年間平均気温マイナス4度の大変厳しい環境にあるこの山岳トイレは、こうした地道な努力により管理されています。使用済み紙は持ち帰りましょう。そしてゴミの投棄は厳禁です。我がことだけではなく、この山のため、この山を楽しむ次の人のためにも守るべきことです。 |
(※野川裕史さんのfacebookでの投稿を承諾を得てそのまま掲載。写真提供も野川さん)
登山者個人の甘えが積層していて、気分が悪くなる |
当会でも2007年7月に,大雪山の避難小屋のトイレ各所にゴミを入れないように注意看板を取付けました。トイレはゴミ箱ではありません。長持ちさせるために、トイレ紙も持ち帰りましょう! (山のトイレを考える会) |