「山のトイレフォーラムin福岡2007」の講演者として、福岡に行ってきましたので報告します。 九州全体かと思って行ったのですが、福岡県内の集まりでした。参加者180名と補助椅子も出す盛況ぶり。 私も何とか大役を果たせたと満足して帰ってきました。 福岡では初めての山のトイレフォーラム。実行委員のみなさんは朝早くから万全の準備をして、約3時間 の所要時間。会場からの意見も活発でよかったと思います。 フォーラムとその後の懇親会で、お互い顔も覚え、みなさんモチベーションが上がっていました。 実行委員長の山上司氏、事務局の太田勝氏、みなさん熱意のある方で今後の活動が期待されます。 福岡県の山は北海道と違い、標高は高くはないですが、霊山が多くまた、青少年の登山遠足が多く行わ れ、多くの登山者に親しまれているようです。 それぞれ、山を維持管理している山岳会の苦労話を聞き、個々に悩んできたのが、今回を契機に横の つながりを強くして情報交換や啓発活動をしょうと言う共通認識ができたと強く感じました。 当会としても、今後、できる限りのご支援をしていきたいと思っています。 1.日時 19年6月17日(日)13:30~16:30 2.場所 太宰府市大宰府天満宮 大宰府館 2.実行委員長 福岡山岳連盟理事長 山上司氏 3.講演(仲俣善雄)北海道の山のトイレ問題の現状と課題 ~各地の取組み事例紹介から~ 4.パネルデスカッション ○コーディネーター 福岡県山岳連盟事務局長 西守信二氏 ○パネリストは下記報告者と仲俣 ○筑豊山の会会長 太田徹哉氏 「福智山901m 9合目小屋のバイオトイレ建設について」の苦労話。 年間登山者数は20万人超。今まで山小屋はあったが、トイレなしで汚れていた。18年11月運用開始。 費用500万円は全てカンパ。資材の運搬は人力。(株)バイオセレント製。 本体は北九州市消防ヘリで運搬。ソーラーは高いので発電機。今のところ故障なし。半年で7000人利用。 協力金は徴収していない。登山者には子供が多いので無料にした。 ティッシュNGでトイレットペーパーを置いている。燃料は10人でローティションを組んで運び上げて いるが、これが一番大変。 ○西鉄山友会 副会長 伊藤博紀氏 「宝満山(ほうまんざん)829mキャンプ場トイレ建設と維持管理」 伊藤氏は40年年間トイレと奮闘してきた。最初はポットン式。年に2~3回汲取りし、土中に埋める。 平成元年に山頂直下のキャンプ場に山小屋建設。H3年に現在のトイレ建設。雨水水洗式。 小屋とトイレの屋根にトイをつけて雨をタンクに貯め、その水を使う。便器の下はパイプになっていて 15m下部の溜枡に落下。三層構造の溜枡で濾過して上澄みのみ自然放流。 今、生理用品やビニールなどが障害となり困っている。 この山は霊山。山頂に上宮(社)あり。年間20万人超の登山者。 現在、バイオトイレの建設に向け検討している。 ○英彦山霊山会会長 永井直氏 「英彦山(ひこさん)1200m 山のトイレ事情と課題」 もともとトイレは無かった。神聖な霊山にウンコをするとは何事だ!と会長は怒っていた。 第一日曜日にティッシュ拾い清掃を続けていた。山頂の植生が変わってきた。山頂のブナが枯れてきた。 観光協会が山頂に店を開き、いつの間にか垂れ流しトイレが建つ。 霊場か観光の山かの選択。霊場であることの啓蒙はなかなか難しい。 平成16年に登山口のトイレが水洗になる。英彦山バス停前のトイレはかき殻バイオトイレ(循環式)。 ○福岡県勤労者山岳連盟 前自然保護部長 東福政次氏 福岡県内の登山口のトイレ調査を平成15年から実施。30%にトイレが無いことが分かった。 トイレの綺麗さをランク付けしているのが印象深かった。
パネルディスカッション 約1時間41分 |