利尻山携帯トイレ取材記

 取材日:2017年8月30日   報告:山のトイレを考える会 仲俣善雄


(携帯トイレ導入経緯)

「利尻山=携帯トイレの山」であることは全国に知られており、携帯トイレ利用の先進地です。利尻山の携帯トイレ導入についての大まかな経緯です。
・2000年:携帯トイレの無料配布、回収ボックス設置
・2001年:テント型ブース設置
・2002年:樹脂製の携帯トイレブースの導入
・2006年:携帯トイレを有料化(1セット400円)
・2007年:環境省が木造小屋式の固定式携帯トイレブースを設置
      (鴛泊コース3箇所、沓形コース2箇所。ポン山~姫沼コース1箇所)

(取材の感想)

 携帯トイレの取材を兼ねて25年振りに妻と利尻山に登ってきました。前回は登り沓形コース、下り鴛泊コースだったのですが、今回は鴛泊コース往復です。
 携帯トイレの方は完璧でした。皆さん携帯トイレを持ってきていて使っていました。丁度よい所に携帯トイレブースが設置してありました。利尻山の上部はあまり隠れる所がありませんので、特に女性にとっては、ブースは大変ありがたいようでした。男性も結構利用していました。私たちも小で利用させていただいた。

 固定式携帯トイレブースについての感想は
 ①便座に網があり携帯トイレをセットし易い ②足元が土でなく金網で清潔
 ③棚がある ④明るい ⑤次の携帯トイレまでの案内を掲示

 登山者がいかに快適に利用できるかよく考えられた設計となっていました。
 コンビニでもレジ近くの見える所に携帯トイレがたくさん置いてありました。

 利尻山を愛する利尻町、利尻富士町、環境省などの行政、宿泊施設やお店、自然保護団体、町民の皆さまの全島あげての熱心な取り組みにより、汚物やティッシュの散乱の無い、誇れる日本百名山になったと思います。

 宿泊したペンションでは携帯トイレを持ってきていますかと聞かれました。また道警には計画書は提出済みだったのですが、登山計画書を宿にも提出し、下山時に報告をするように言われ、登山者の安全を守る気持ちが伝わってきました。

 登山口、キャンプ場、展望台などのトイレなど数多く見たのですが、洋式便座が多く、どこも綺麗。ゴミ一つ落ちていませんでした。清潔感が満ち溢れている利尻島でした。


鴛泊コース登山口(北麓野営場)
携帯トイレ回収ボックス。右は一時集積箱

回収ボックスを開けた所
一時集積箱の中

6.5合目の携帯トイレブース
次のブースまで登り100分

利尻山避難小屋にはブース2基
ブースの中。足元は金網。右下のゴミ回収

空き、使用中の札
次のブースは9合目。登り40分

9合目の携帯トイレブース
この先ブース無し。山頂往復100分

携帯トイレの使い方
天井の明り取り

内部の鍵は2重になっていた
トイレットペーパーまであった

沓形コース登山口の回収ボックス
携帯トイレは入っていなかった

見返台園地のトイレ。綺麗だった
姫沼の回収ボックス。1個入っていた