大雪山・裏旭野営指定地携帯トイレ検討連絡会

携帯トイレブース設置に向けた取り組み

 山のトイレを考える会(以下、当会と称す)は、北海道の山岳環境問題の改善を目指す団体です。2018年7月には大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言の発出団体に加わりました。登山者が安心して携帯トイレを使ってもらえる環境づくりを目指しています。

 裏旭野営指定地はトイレがありません。周辺に隠れる場所がないためかトイレ道もありません。2020年に当会で現地調査とアンケート調査を実施しましたが、調査数が少なく、登山者が何で困っているのか、どこで排泄しているのか分かりませんでした。

 2021年度、北海道の山岳団体に呼びかけ、『裏旭野営指定地携帯トイレ検討連絡会』を設立、野営地に1泊してアンケート調査を実施しました。対象は宿泊者と野営地入口の登山道を通過する登山者です。それぞれ別なアンケート内容です。賛同団体は18団体、そのうちアンケート調査に協力していただける団体は8団体でしたが、旭川勤労者山岳会は新型コロナ緊急事態宣言等で止む無く中止となりました。

 アンケート調査は7団体で9回実施。回収数は宿泊者72枚、通過者95枚(有効回答84枚)でした。下記にアンケート調査結果を報告します。        (2022.3.1記)

  裏旭野営指定地携帯トイレ検討連絡会(賛同18団体)※下線はアンケート調査実施団体

日本山岳会北海道支部北海道山岳連盟札幌山岳連盟道央地区勤労者山岳連盟
NPO法人大雪山自然学校大雪と石狩の自然を守る会・旭川勤労者山岳会・
旭川山岳会・大雪山倶楽部・大雪山山守隊・(同)北海道山岳整備・NPOかむい・
北海道大学(愛甲研究室)・北海道山岳ガイド協会・HAT北海道・山楽舎BEAR・
大雪山国立公園パークボランティア連絡会・山のトイレを考える会


 2021年大雪山・裏旭野営指定地への携帯トイレブース設置に向けた
  アンケート調査報告書
(PDF:5.1MB)

   2022年(令和4年)2月 裏旭野営指定地携帯トイレ検討連絡会

【アンケート結果要約】
○宿泊者の携帯トイレ持参率は94%と高率だった。
○裏旭に一泊した登山者は旭岳から裾合平を経由する周回コースが53%だった。

○宿泊者の92%は戸惑いながらも何とか苦労して携帯トイレを使用していることが分かった。テントの中で使用した人が33%もいて驚きであった。その他に「テントから離れた岩陰」「テントから遠く離れた沢形の先」「テントからある程度離れた場所(小さく見えてもかまわず)」「テント付近の草地(夜間)」と多岐に亘った。


○宿泊者の9割強が裏旭に携帯トイレブース(トイレ設置要望も含む)を望んでいる。
○通過登山者は8割弱が「携帯トイレブースがあれば立ち寄り利用する」と答えている。
○2021年の裏旭でのテント宿泊者数は、約560人と推計される。

 2021年裏旭野営指定地・現地アンケート調査活動
  各山岳団体によるアンケート調査活動内容を掲載しています。


 2020年山のトイレを考える会による現地調査報告

裏旭野営指定地のマップ(旭岳から下って約40分)


裏旭野営指定地にはトイレがない(2020.7.18撮影)

実施要領書      実施報告書(様式)