トムラウシ山(2141m)は日本百名山の一つで全国から多くの登山者がやってくる。日本百名山で景観の美しさは随一と言っていい。しかしトムラウシ山にはトイレがなく、山頂近くの南沼野営指定地の岩陰には、排泄物やティッシュペーパーが大量に残置、水質汚染、土壌汚染が危惧される。ティッシュの花は景観を損ない、汚物は悪臭も放っている。また登山道から外れ、用を足すため岩陰に向かう踏み跡が「トイレ道」として複数あり、高山植物の踏みつけによる裸地化も進行してる。
北海道は2000年に同野営指定地に携帯トイレ用の木製ブースを設置、また、トムラウシ温泉登山口に携帯トイレ回収ボックスも設置した。また携帯トイレの無料配布等の啓発活動も3年間実施したが、一向に改善の兆しは見られず、そのままの実態が続いてきた。
「日本一美しくて、汚い野営地…」と揶揄される汚名を返上すべく2017年4月プロジェクトが始動した。ここでは、これからのプロジェクトの活動と成果を報告していきたい。
(2017.5 山のトイレを考える会)
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